ライブレポート

MUCC 孵化 2016/9/3 @ 大阪城音楽堂

9月3日大阪城音楽堂にて、MUCCが6月25日よりスタートさせた全国ツアー「MUCC TOUR 2016 GO TO 20TH ANNIVERSARY 孵化-哀ア痛葬是朽鵬6極志球業シ終T-」の最終公演を行った。

f:id:lrchu_ak:20160906001443j:image

結成から19年を迎えた彼らがこれまでに発売してきた15枚のアルバムの頭文字を冠した通称:文字化けツアー。各公演で新旧の楽曲の数々が披露され、19年の歴史を振り返ると共に、20周年に向けて伏線的な意味も含む内容だった。

 

台風12号の影響で曇天の大阪。会場後、雨が降り始め『さすがムック』という声が漏れるも、開演直前にピタリと止んだ。SE「ホムラウタ」でメンバーが登場し、YUKKEのスラップから「大嫌い」へ。『嫌い嫌い嫌い嫌い...』とステージ中央でマイク片手につぶやく逹瑯の『あなたが大嫌いです』に合わせて特効が鳴り、ライブの幕開けを告げると、00年のナンバー「娼婦」へ続く。

逹瑯が<もっとムックに声援を頂戴。まとめてぶち殺してやっから>と観客を煽ると、ミヤが<大阪ァ!!来いよ!オラァアア!>と叫び「KILLEЯ」へ。そして官能的な要素を持つ「JOKER」では、逹瑯とミヤが背中、首、頭を互いに預け濃厚な絡みを魅せる。

「フライト」の演奏中に上空を飛行機が通り、「悲しみとDANCEを」では”この雨雲の中で”のフレーズで、逹瑯が空を見上げるなど、野外ならではの偶然の演出(?)も。YUKKEがアップライトに持ち替えると、軽快なギターリフが絡み「ファズ」へ。観客もコーラスを一緒に歌いながら飛び跳ねる。最高に楽しい。ドラム、ベース、ギター、そしてハーモニカの各ソロパート後、最後に全員で音を合わせた「1979」から、暖かみのある淡い照明がステージいっぱいに広がった「パノラマ」へと繋ぐ。ここは個人的にとても好きな流れだった。

暗めの照明が赤に変わり、逹瑯が微動だにせず歌い始める姿が印象的な「トリガー」。歌詞に合わせ逹瑯とミヤが頭を撃ち抜く。そのまま音を止めることなく「ハニー」へ。ミヤのコーラスは、アダムとイヴは”恋”をせず、”やらかして”イエスが生まれた。このときの彼は完全にキマってたと思う。

ミヤがギターを奏で「嘘で歪む心臓」に入るも、逹瑯が歌詞を飛ばし<ごめん、もう一回やらせて>と、最初から仕切りなおしに。しかしまた同じところで躓き、オーディエンスが代わりに歌う。白とピンク(むらさき?)の照明もすごくよかった。本公演の日付から、この曲は必ず入れてくるだろうという予想と期待通り「9月3日の刻印」を披露。激しく明滅するライトに射られながら、歌い終えた逹瑯が膝から崩れ落ちるような姿が、目に焼き付いている。(恐らくこの曲だったはず……)

 

MCタイムでは、逹瑯が<音楽が楽しくなかったとき、ただ演ってるだけだったとき、楽しかったとき、いろんな時代の曲を演奏して振り返って、改めてムックが好きだなって思いました>と照れ笑いを含みながら語る。

そしてミヤのギターに乗せ「砂の城」を歌い上げ、アカペラのまま「家路」へと続く。このツアーと共に過ごしたひと夏が走馬灯のように駆け抜けた。風が抜けるなか演奏された「ハイデ」はすごく気持ちがよかったし、たくさん笑いながら泣いた。昔から自分の傍にあったような、やさしい曲だ。

セミファイナルの宮崎から本編入りした9月14日リリースの「CLASSIC」。イントロに合わせミラーボールがつくと、細かな光がステージに散る。大サビでたくさんの銀テープが飛び、その光景はまるで彼を祝福しているようだった。

購入はこちら

https://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?cd=AICL-3154 

再びステージが暗転。「Mr.Liar」で、ミヤが<大阪ァアア!!>と煽り歌い始める。しかし逹瑯の<どうしたの?>の声で下手を見るとYUKKEが足を攣ったらしく、ステージ袖でたくさんのスタッフに囲まれ尻餅をついていた。逹瑯がYUKKEの目の前でデスボをし、ミヤも駆け寄り屈んでギターをかき鳴らす。倒れたままベースを引き続けるYUKKEと、目で合図を取るため立ち上がるSATOち。4人の信頼関係が見えた瞬間でもあった。しかしYUKKEの姿がないことで、アンバラスに見え、このバンドはいい意味でこの4人じゃないとダメだな、なんて生意気な事を思ってしまった。

復活し立ち上がったYUKKEの<ラスト行くぞーー!!>の声で、ステージに炎が点き「TONIGHT」へ。YUKKEとミヤが背中合わせで弾き、逹瑯が全身で歌い、SATOちが力強くドラムを叩く。全てを出し切るようなラストだった。

 

夢烏のアンコールの声が響き渡るも、なかなか出てこないメンバー。すると下手から徐々に<パンパン(手拍子)!ゆっけ!パンパン!ゆっけ!>と、ゆっけコールが起こる。このツアーでムックだけじゃなく、夢烏さんたちも大好きになったよ……!愛されてるな、ほんと。

再びメンバーが登場し「ENDER ENDER」でアンコールスタート。逹瑯の<ジャンプ!ジャンプ!>の声に合わせて飛ぶ「1997」へ流れる。大きな水鉄砲を持った逹瑯が客席に水をかけステージ前方はびしょ濡れに。イントロで大きな歓声が上がった「オルゴォル」では逆ダイが起き、熱を高めていく。

締めはライブの定番曲「蘭鋳」だ。途中、全員を座らせた逹瑯。<来年が本番です!残念で遺憾なことに、君たちの力を少し……いや、かなり借りなければならないときが来る! そのときは心置きなく手を差し伸べて頂戴!!いつもこっちが差し伸べてるんだから、こんなときくらいは返せよ!!

………全員死刑!!!!>

ラストまで止まることなく、全18公演をやりきった。ありがとう。お疲れさまでした!

メンバーがステージを去ったあと、スクリーンに結成20周年アニバーサリーイヤー「MUCC 20TH ANNIVERSARY 97-17 “飛翔”」に関連する20項目が掲示され、来年2月からの全国ツアー「MUCC 20TH ANNIVERSARY 97-17 羽化 -是朽鵬6極志球業シ終T翔殺-」などが発表された。

 

 

振り返ると京都広島岡山福岡大阪の5公演に参加していた。まさか、自分がムックのライブで踊っているとは…1年前の私が聞いたら驚くだろうなぁ。でももう底まで沈んでしまったから、助からないよ。数年後、早朝からムック体操を踊る自分の姿が安易に想像できる。にんげんってこわい。

音源を聞き始めて数ヶ月。まだ耳にしたことの無い曲はもちろん、タイトルと楽曲が一致しないこともある。ライブ中に歓声が上がる曲もわからない。
「2曲目知らなかったな」「あの曲のタイトルなんだっけ」全楽曲の中から演奏曲が予想できない上に、毎公演セットリストが変わるこのツアーだったからこそ、もっと知りたいという気持ちになったと思う。
ただステージで音を奏でる彼らに何度も素手で”心臓”をギュッと握られたような感覚を味わった。いつの間にか泣いていたり、妙な熱に悶えたり、楽しくて気持ちよくなったり。今までにない体験だった。20周年に向けて走る彼らが、過去も現在も未来も楽しんでいるようで、きっとフロアも同じ気持ちだったと思う。みんなキラキラした顔をしていた。かき鳴らす音も、叫ぶ声も、みんな、優しすぎるよ。この先ずっとこの音に包まれて笑顔で踊りたいな。

「これから、よろしくお願いします」